AP/FD NEWS Letter 創刊号
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1.就業力とは 大学等の高等教育機関から企業への接続の問題に関して、新卒採用の観点や職場で求められる能力の観点から、情報収集力、課題解決力、コミュニケーション力などの汎用的能力の重要性が各所で指摘されています。日本経済団体連合会によるアンケート調査では、「大学生の採用に当たって重視する素質・態度、知識・能力」として、主体性、コミュニケーション能力、実行力、チームワーク・協調性、課題解決能力、倫理観、社会性、論理的思考力などが挙げられています(注1)。経済産業省の社会人基礎力に関する研究会からは、「職場や地域社会で活躍する上で必要となる能力」として、前に踏み出す力・考えぬく力・チームで働く力の3カテゴリーで「社会人基礎力」がまとめられています(注2)。さらに文部科学省は、「分野や職種にかかわらず、社会的・職業的自立に向けて必要な基盤となる能力」のうち、「基礎的・汎用的能力」として「人間関係形成・社会形成能力、自己理解・自己管理能力、課題対応能力、キャリアプランニング能力」の4つの能力に整理しています(注3)。各方面からの指摘の中で、文部科学省のみが「キャリアプランニング能力」を挙げており、「『働くこと』の意義を理解し、自らが果たすべき役割との関連を踏まえて『働くこと』を位置付け、多様な生き方に関する様々な情報を適切に取捨選択・活用しながら、自ら主体的に判断してキャリアを形成していく力」と定義しています。 これらはカテゴリーの分けかた、個々の用語に違いはあるものの、どのような職業でも汎用可能学業に取り組む主体的な姿勢が就職力を育む就業力と大学教育4大学教育総合センター 特任講師 市村光之

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