AP/FD NEWS Letter 2号
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2014年度秋学期公開授業が開催される4公開授業 「日本経済史」邉英治 准教授授業公開日:平成26年12月11日(木) 授業時間:3限 対象学生:経済学部 2~4年 受講生数:約80名授業形式:講義授業の進め方 この授業は、経済学部の2~4年生向けの日本経済史の講義であり、主に幕末から戦時期に至る日本経済の歴史が概説されています。 授業の進め方は、先生の板書にもとづく解説がメインです。教科書は指定されていますが、主に復習での利用に重点が置かれており、学生はまず、講義を通じて日本経済史の基本的な流れを理解することが求められています。 成績評価については、平常点(10%)、小テスト(40%)、定期試験(50%)と設定されています。定期試験の結果が最も重視されていますが、講義期間中に行われる小テストも大きな比重を占めており、これを通じて学生の授業内容に対する理解度の確認が図られています。授業の工夫 授業の工夫としてまず挙げられるのは、洗練された板書のスタイルです。講義では、上下左右四面の黒板がフルに活用され、緻密に練り上げられた近代日本経済史の体系が展開されていきます。もちろん、ただ淡々と板書が続くわけではなく、並行して様々な歴史の「裏話」(人物伝・会社史・エピソード等)を盛り込んだ先生の解説が入ります。この「裏話」が、講義の絶妙なスパイスとなって、「表話」である日本経済史の体系をより一層引き立たせているという印象です。学生の視点から見れば、定式化された板書スタイルが採用されていることで、体系的な知識の獲得に安心感を持って臨めるでしょうし、一方で、アクセントとしての「裏話」が随所に配置されていることで、授業に対する関心を継続的に維持することができると考えられます。この両者のバランスが、本授業のポイントと見受けられました。 また、授業時に配布される資料も、講義に花を添える重要な要素です。資料には、関連する歴史的史料や統計、画像などが掲載されており、学生はこれらの歴史上の「生」の情報にもとづき、講義で語られた内容に関して史資料の面から再確認することができるようになっています。担当教員から一言 経済学というと、数式を用いた理論や計量分析が中心というイメージがあるかと思いますが、この授業では、歴史的事実をつぶさに観察することを通じて、学生が日本経済の歴史についてリアリティを持って理解できるようになること、また歴史と現在との関連についてより明確に認識できるようになることを意図しています。公開授業 「簿記原理Ⅱ」原俊雄 教授授業公開日:平成26年12月12日(金) 授業時間:3限対象学生:経営学部 1年 受講生数:約350名授業形式:講義授業の進め方 授業の初めに空欄付の演習問題のプリントとクリッカーと呼ばれる機材を学生に配布し、授業では、まずテキストの内容に沿ったパワーポイントのスライドを用いながら理論的な説明が行われました。原先生によると、「スライドの内容は教科書に沿っており、基本的な内容は教科書なしでも理解できるようにしているが、ときおり教科書のpdfファイルをスライドに写して説明することもある」とのことでした。理論的な説明の後に、パワーポイントから書画カメラに切り替えて、演習問題の解説をされていました。書画カメラには学生に配布したものと同じプリントが映し出され、原先生が空欄をペンで埋めながら解説が行われるため、下を向いている学生はほとんどいませんでした。 授業の最後には、クリッカーを用いて小テストが行われました。クリッカーを用いて学生が答えた解答は、リアルタイムで原先生のPC上で集計され、問題の正答率や、どの学生が一番早く正解したかなどがその場でスクリーンに公開され、学生もよい意味で盛り上がっていました。 また、e-learningシステムを用いた自学自習用の課題も出されており、それを成績の一部として加味されているとのことでした。 授業の工夫 原先生の授業は、パワーポイント、書画カメラ、クリッカー、e-learningシステムなど様々な機材を適宜使い分けることで、学生の学習効果が最大となるよう工夫されているようでした。たとえば、演習問題の解説などで書画カメラを使う理由について、原先生は「学生と同じ視点を作ることができる」、「パワーポイントとの切り替え時間がないため、説明と演習を連続して行うことができる」と説明されていました。また、クリッカーについても、「紙ベースで実施・集計して次週に解説してもよいが、リアルタイムで集計できるクリッカーのほうが、学生の反応も良く、効果も高い」とのことでした。 担当教員から一言 原先生は、「簿記原理は、会計学の基礎的授業であり、2年次以降の授業で必要となるものであるため、学生目線でわかりやすく、興味を持ってもらえるよう心掛けている」と授業に対する心構えを教えてくださいました。また、新任の先生方に対しては、「書画カメラやクリッカーなどは、非常に学習効果の高いツールであるため、機会があればぜひ使ってみてほしい」とおっしゃっていました。A 丁寧な板書で解説する邉先生A 公開授業 「日本経済史」B 公開授業 「簿記原理Ⅱ」C 公開授業 「中等数学科教育法C」D 公開授業 「感覚知覚システム論」E 公開授業 「土木史と技術者倫理」B 当日の授業風景CD 色の合成について説明をしている岡嶋先生E 教える側も学生側も真剣E 教える側も学生側も真剣

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